神様の数え方「1柱」、では仏様の数え方は…? 日本人が知らない仏様・神様・仏壇・僧侶・ご位牌を数える時の単位

神様の数え方「1柱」、では仏様の数え方は…? 日本人が知らない仏様・神様・仏壇・僧侶・ご位牌を数える時の単位

日本語には、数える対象の形状や性質に合わせて使い分ける「助数詞(じょすうし)」という美しい文化があります。ペンは「1本」、皿は「1枚」、車は「1台」と私たちは無意識に使い分けていますが、それでは「神様」や「仏様」、あるいはそれらをお祀りする「神棚」や「仏壇」はどのように数えるのが正しいかご存じでしょうか。

「神様は『1人、2人』でいいの?」「お位牌はどうやって数えれば失礼にならないかしら」など、お葬式や法要、お仏壇の買い替えをきっかけに、こうした単位や数え方に戸惑ってしまう方は少なくありません。

実は、神道や仏教に関わるものの数え方には、古代日本人の自然への畏敬の念や、先祖を敬う深い慈悲の心が隠されています 。これらの助数詞を正しく知ることは、単なる言葉の知識にとどまらず、神仏やご先祖様に対して失礼のない正しいお祀りや供養を行うための第一歩となります 。

本記事では、日本人が意外と知らない「神様・仏様・仏壇・僧侶・お位牌」の正しい数え方とその歴史的な由来について詳しく解説します 。さらに、お仏壇や位牌、神棚を新しく迎える際や、買い替える際に絶対に知っておくべき「開眼供養(魂入れ)」などの重要なマナーや、日本最大級の仏壇ポータルサイト「いい仏壇」を活用した安心でお得なお買い物方法までを網羅してご紹介します 。この記事を読めば、すべての疑問が解消し、自信を持って心豊かな供養を営むことができるようになります。

神様を「1柱」と数える由来と神道における意味

日本の八百万(やおよろず)の神々を数える際、最も正式な単位は「1柱、2柱、3柱(ひとはしら、ふたはしら、みはしら)」です 。人と同じ「人(にん)」ではなく、なぜ建造物を支える「柱」という漢字が使われるようになったのでしょうか。そこには、日本古来の神道信仰の根源が深く関わっています 。

なぜ「柱」と数えるのか?その3つの由来

  • 神聖な樹木(依代)の信仰:仏教が伝来する以前の日本では、特定の神殿を持たず、周囲よりひときわ大きくそびえ立つ巨木や、美しい山、巨石などを神様が降臨される「依代(よりしろ)」としてお祀りしていました 。遠くからでも目印となる巨大な樹木は、まさに自然の中に立つ「一本の柱」であり、そこから神様を「柱」と数えるようになったと言われています 。

  • 天界と地上を結ぶ霊的な通り道:古代の日本人は、天空にある神々の世界(高天原)と、私たちの暮らす地上を結ぶために、木や柱が霊的な「通り道(宿り木)」として機能していると考えていました 。伊勢神宮の正殿の床下に立てられる「御船代(みふなしろ)」や、諏訪大社の「御柱(おんばしら)」に見られるように、柱そのものが極めて神聖なものとして扱われてきた歴史があります。

  • 古事記や日本書紀における記述:我が国最古の歴史書である『古事記』や『日本書紀』においても、この世の始まりに現れた神々(天之御中主神など)について「一柱の神」と明確に書き残されています 。この神話の時代からの美しい伝統が、現代の神道でもそのまま受け継がれているのです 。

神道に関連するものの数え方一覧

神様だけでなく、神社や神棚、お札などの授与品にも、それぞれ敬意を込めた独自の数え方が存在します 。

御祭神(ごさいじん):「柱(はしら)」または「座(ざ)」
神社にお祀りされている神様のことは「柱」と数えますが、平安時代の『延喜式神名帳』などの古典的な記録では、神様が座る場所という意味から「1座、2座」と数えられることも一般的です 。

神棚(かみだな):「社(しゃ)」または「基(き)」
神札を納める神棚(お社)は、建物を数える単位である「社」や、容易に動かせない土台のある構造物を表す「基」を使って数えます 。

御神札(おふだ)や御守(おまもり):「体(たい)」
これらは単なる印刷物や商品ではなく、神様の御神徳(お力)が宿った「神様の分身」として扱われます 。そのため、「1個、2個」「1枚、2枚」ではなく、神様の身体そのものを表す「1体、2体(いったい、にたい)」と数えるのが正しい作法です 。 これに伴い、神社でこれらを受ける際は「買う」とは言わず、神前にお金を奉納して「授かる」「受ける」「いただく」と表現するのが美しいマナーです 。

仏様の数え方は?仏教における単位と美術品としての数え方

それでは、仏教における「仏様」はどのように数えるのが正しいのでしょうか。仏様には、神道の「柱」とは異なる、仏教の慈悲深い教えに基づいた単位が用意されています 。

仏様を数える基本単位:「尊」「仏」「体」

1尊(そん)
仏様を数える上で最も敬意が込められた正式な単位の一つが「尊(そん)」です 。仏教では、仏様のことを「世尊(せそん)」と呼ぶことがあります 。これは、仏様があらゆる功徳をそなえ、この世のすべての生きものに利益をもたらし、世界中で最も尊重される存在であることに由来しています 。ここから、お祀りする仏様を「1尊、2尊(いっそん、にそん)」と数えます。

1仏(ぶつ)
釈迦如来がこの世に現れる以前に、過去の時代に現れて人々を救ったとされる7人の仏様を「過去七仏(かこしちぶつ)」と呼ぶ教えがあります 。この仏教的な歴史から、仏様そのものを「1仏、2仏(いちぶつ、にぶつ)」と数えるのも正しい表現です 。

1体(たい)
お仏壇に安置する「仏像(木彫や鋳造の像)」や、掛け軸に描かれた「仏画」を数える際には、一般的に「1体、2体」が広く用いられています 。

美術品や学術的な視点における仏像の数え方

美術館での鑑賞や歴史の研究など、学術的・美術品として仏像を扱う場合には、さらに細分化された専門的な単位が使われます 。

1座(ざ)
台座に座っている仏像(座像)を数える時に用います 。

1軀・躯(く)
仏像の「からだ(身躯)」そのものを指す、彫刻美術における最も正式な助数詞です 。

1頭(ひとかしら)
仏像の頭部(仏頭など)を美術品として個別に数える際に用いられます 。

神仏習合がもたらした「仏様を柱と数える」ケース

日本には、古くから神道の神様と仏教の仏様を同一視し、お互いを調和させて信仰する「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」という独特の宗教文化がありました 。そのため、古い文献や地域によっては、神道の考え方の影響を受けて、仏様のことを「1柱、2柱」と数える記述が見られることもあります 。このような背景を知ると、日本の多様で寛容な信仰の歴史を垣間見ることができますね。

仏壇・位牌・僧侶を数える時の正しい単位

私たちの家庭におけるお参りや、法要を執り行うにあたって欠かせない「お仏壇」「お位牌」、そして「お坊さん(僧侶)」の数え方について整理しましょう 。これらを正しく使い分けることで、葬儀社や仏壇店、お寺の住職とのやり取りも非常にスマートになります 。

仏壇の数え方:「基(き)」

お仏壇は「1基、2基(いっき、にき)」と数えます 。

「基」という助数詞は、「基礎」や「基準」という言葉からも分かるように、「上にあるものをしっかりと支えるための土台」という意味を持っています 。

そのため、お墓や神棚、あるいは公園のベンチ、エスカレーター、歩道橋など、「地面や床に直接しっかりと固定され、容易には移動させることができない構造物」を数える際には、すべて共通して「基」が用いられます 。お仏壇もまた、一度お部屋に安置したら容易に動かさず、家族の信仰の土台となる重厚なものであるため、敬意を込めて「1基」と数えられます 。

位牌の数え方:「本」「基」から「柱」への変化

お位牌の数え方で最も興味深いのは、「魂入れ(開眼供養)」を行う前後で単位が変わるという点です 。

魂入れの前(購入時・商品としての位牌)「1本(ほん)」「1基(き)」「1個(こ)」
仏壇店やお位牌の制作現場(オンラインショップ等も含む)において、戒名を彫る前の木製の板の状態のものは、まだ「商品」として扱われるため、「1本」「1基」と数えられます 。

魂入れの後(故人の魂が宿った位牌)「1柱、2柱(いっちゅう、にちゅう / ひとはしら、ふたはしら)」
お寺の僧侶に読経をしていただき、無事に「魂入れ(開眼供養)」が済んだお位牌は、もはや単なる木製の板ではありません 。故人様の魂、すなわち「新霊」が宿った尊い「依代(よりしろ)」へと生まれ変わります 。 仏教の死生観において、人は亡くなると「仏様(あるいは神様)に近い尊い存在」になると考えられているため、神様や遺骨と同じ敬意を込めて「1柱、2柱」と数えるのが最も正式なマナーとなります 。

【注意】浄土真宗におけるお位牌の考え方

浄土真宗では、「亡くなった人は阿弥陀如来のお導きによって、すぐに極楽浄土に往生して仏になる(往生即成仏)」と教えられています 。そのため、故人の魂がこの世の位牌に留まるという考え方をせず、原則としてお位牌を作りません

お位牌の代わりに、ご先祖様の法名や命日を記録する「過去帳(かこちょう)」や、仏壇の側面に掛ける「法名軸(ほうみょうじく)」を使用します 。これらの数え方は以下のようになります 。

  • 過去帳:「1冊(いっさつ)」
  • 法名軸:「1幅(いっぷく)」

(※ただし、現代では家庭の事情や地域の慣習により、浄土真宗であっても他宗派と同様にお位牌を作られる場合があり、その際はお位牌を「1柱」と数えてお祀りします 。)

僧侶の数え方:場面による使い分け

法要や葬儀の際にお招きするお坊さん(僧侶)を数える単位は、日常会話と仏事の実務で使い分けられます

  • 日常や事務的なやり取り:「1名(めい)」「1人(にん・り)」
    お寺に法要の手配を依頼する際などは、「当日は僧侶〇名でお越しいただけますか」のように、通常の「名」や「人」を使って全く問題ありません
  • より敬意を込める表現:「1方(ほう)
    住職への敬意を込めて、文章や丁寧な会話で「僧侶お一方(ひとかた)」と表現することもあります

  • 古典・歴史書における表現:「1口(こう / く)」
    日本最古の正史である『日本書紀』などでは、一般の人々を「人」と数えるのに対し、出家して仏に仕える高貴な僧侶を数える際には、あえて「口」を使って明確に区別していました 。これは現代では一般的に使われませんが、お寺の歴史的な戸籍や古い名簿などには現在も「僧侶〇口」という表記が使われることがあります

主な仏事関連・神事関連の数え方まとめ

ここまでに紹介した神様、仏様、各種宗教用具の正しい数え方を分かりやすく表にまとめました 。大人の教養として、ぜひ参考にしてください。

数える対象代表的な数え方(単位)備考・使い分けのマナー
神様(御祭神)1柱(ひとはしら)、1座(ざ)神道における最も正式な敬称。古事記由来 。
仏様(仏像・仏画)1尊(そん)、1仏(ぶつ)、1体(たい)尊格を敬う「世尊」の教えや過去七仏に由来 。
神棚

1社(しゃ)、1基(き)

お社の形をした建造物や容易に動かせない土台を表す 。
お仏壇1基(き)家族の信仰を支える不動の土台を持つ構造物としての単位 。
お位牌(魂入れ後)1柱(ひとはしら、いっちゅう)魂が宿る依代。遺骨や神霊と同格として扱う 。
お位牌(魂入れ前)

1本(ほん)、1基(き)、1個(こ)

仏壇店などにおける商品・木材としての数え方

御神札・お守り1体(たい)神様の分身。購入ではなく「授かる」と表現する 。
過去帳1冊(いっさつ)主に浄土真宗で用いられる、先祖の記録帳 。
法名軸1幅(いっぷく)浄土真宗で仏壇の内側に掛ける、法名が書かれた掛け軸 。
僧侶(お坊さん)

1人(にん)、1名(めい)、1方(ほう)

丁寧な会話では「お一方」、歴史的には「一口」

お墓1基(き)仏壇や神棚と同様に、地面に設置された石造の構造物 。

仏壇や位牌、神棚の「祀り方」と「買い替え」の正しいマナー

正しい数え方を身につけたら、次に重要となるのが、これらの神聖なものを自宅に迎える際や、ライフスタイルの変化(引っ越し、リフォーム、実家の片付けなど)によって買い替える際の実践的なマナーです 。神仏やご先祖様に失礼のないよう、以下の儀式と作法を必ず抑えておきましょう 。

1. 新しく迎える際のマナー:「開眼供養(魂入れ)」

お仏壇やお位牌、神棚を新しく購入した際、お部屋に設置しただけでは、まだただの「美しい木製の工芸品(商品)」にすぎません

そこに魂を込め、神仏やご先祖様の尊い依代(礼拝の対象)へと変化させるために、お寺の僧侶(神道の場合は神職)を招いて執り行うのが「開眼供養(かいげんくよう)」です 。地域によっては「お性根入れ(おしょうねいれ)」や「魂入れ(たましいいれ)」とも呼ばれます 。

  • 行うタイミング

    一般的には、亡くなられた故人の四十九日法要と同時に行うことが最も多いです 。お葬式の際に用いていた「白木位牌(しらきいはい:仮のお位牌)」から、新しく用意した「本位牌(ほんいはい:黒漆や唐木の位牌)」へ魂を移し替える儀式として執り行われます

  • 準備するもの

    お仏壇の掃除を済ませ、仏飯(炊き立てのご飯)、お水、お花、お線香、ローソクをお供えします 。また、慶事(おめでたい儀式)としての側面もあるため、お供え物として赤飯や紅白のお餅、海の幸・山の幸などを添えるのが丁寧な作法です

2. 引っ越しや買い替えで動かす際のマナー:「閉眼供養(魂抜き)」

仏壇の買い替え、お住まいの引っ越し、あるいはお部屋の模様替えなどで、お仏壇や位牌を一度別の場所へ動かす際には、逆の儀式が必要になります 。

お仏壇や位牌に宿っている神仏やご先祖様の魂に一度天へお帰りいただく(単なる木製の板や箱に戻す)儀式を閉眼供養(へいげんくよう)」または「魂抜き(たまぬき)」「お性根抜き」と呼びます 。

  • なぜ魂抜きが必要なのか?

    魂が入ったままお仏壇を動かしたり、トラックで運んだりすることは、ご先祖様を激しく揺さぶって移動させることになり、極めて失礼にあたると考えられているからです 。また、古いお仏壇や位牌を処分する際にも、魂が宿ったままゴミとして廃棄してしまわないよう、必ず閉眼供養をしていただくのが仏事の鉄則です 。

  • お引越しの手順

    1. 菩提寺の僧侶に連絡し、「魂抜き(閉眼供養)」の日程を決め、執り行っていただく

    2. 外せる仏具をすべて取り外し、壊れないよう個別に厳重に梱包する

    3. 新居(または新しいお仏壇の設置場所)へ慎重に運ぶ

    4. 新しい場所で飾り直した後に、再度僧侶をお招きして「魂入れ(開眼供養)」を執り行っていただく

3. 複数のお位牌をコンパクトにまとめるマナー

「お祀りするお位牌が10柱、20柱と増えてしまい、コンパクトなお仏壇に収まりきらない」「実家を仕舞うにあたって、先祖代々のお位牌をすっきり整理したい」というお悩みを抱える方は非常に多いです 。

このような場合、仏壇店やお寺に相談することで、以下のような方法で美しくまとめることができます 。

  • 「先祖代々之霊位」の位牌にまとめる

    亡くなってから三十三回忌や五十回忌などの節目(弔い上げ)を迎えた古いご先祖様のお位牌をまとめ、「〇〇家先祖代々之霊位」という1柱のお位牌に合祀(ごうし)します 。

  • 「繰り出し位牌(回出位牌)」にまとめる

    お位牌の台座の中に、10枚前後の薄い木札(戒名が書かれた板)が収納できるようになっているお位牌です 。命日を迎えるご先祖様の札を一番前に出して日々お参りします 。

  • 「過去帳(かこちょう)」に書き写す

    お位牌そのものは処分し、代々のご先祖様の戒名や俗名、命日を「過去帳」と呼ばれる帳面に筆耕(手書き)して、お仏壇に大切に保管します 。

これらの作業を行う際にも、古いお位牌から魂を抜く「魂抜き」と、新しい位牌や過去帳へ魂を移す「魂入れ」の法要をお寺に依頼する必要がありますので、事前にしっかりと計画を立てましょう 。

まとめ

神様を「1柱」、仏様を「1尊」「1体」、お仏壇を「1基」、そして魂が入ったお位牌を「1柱」と数える――。

私たちが何気なく使う助数詞の一つひとつには、目に見えない神仏への深い敬意や、愛する亡き人を「尊い存在」として永遠に敬い続ける、日本人の豊かで美しい精神性がぎゅっと詰め込まれています 。正しい単位を学び、その由来を知ることは、日々の供養やお祀りをより一層温かく、有意義なものへと変えてくれます

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