仏壇発祥の地であり、また本山寺院が終結する京都では、木工、彫刻、漆工、箔押、錺金具など多彩で精緻な技術を集約した仏壇仏具が作られています。
とりわけ、加茂定にあっては、百伍拾年余の伝統の中で、絶えず技とセンスに磨きをかけ、数多くの仏壇仏具をてがけてきました。
おかげさまで、経済産業大臣が認定した仏壇として、京都はもちろん全国各地から高い評価をいただいております。
江戸時代末期の弘化四年(一八四七)に本家加茂吉より分家した初代定治郎が、明治八年、現在地を購入し古道具商ならびに仏壇仏具商として開店したのが始まりです。二代目定三郎の頃より、仏壇制作を手がけるようになり、三代目定次郎にいたりましては、内外産業博覧会ならびに大礼記念京都大博覧会で金賞、銀賞等各賞を受賞しております。四代目定三郎のとき、京都府知事より「京の老舗」に表彰されました。平成三年、現当主定治が、先代の意思を継承し五代目を相続、現在に至っております。これからも素直な心で京仏壇®仏具作りに精進してまいりたいと思っております。
板内:三尺
高×幅×奥(cm):183×121×85
板内:二尺四寸
高×幅×奥(cm):176×87×77
備考:
四方堂造り・小口三方開き・宮殿入り。マス組(二手マスのジャバラ入り)が、四方一体になっています。
本山の御影堂正面と同じ形式です。
※西本願寺用もあります。
板内:二尺
高×幅×奥(cm):170×75×68
備考:
総研出呂色塗り・彫刻は飛天・木地は脇戸付きの軸回し仕様。
脇戸を開けると佛壇本体が大きく見えます。
※東本願寺用もあります。
板内:尺八
高×幅×奥(cm):158×68×57
備考:
半間の佛間に最適。
彫刻は飛天・蒔絵は秋草・総研出し呂色塗り。
分業でこそなし得た京佛壇の逸品です。
※西本願寺用もあります。
商品説明:
盛物台とは、仏に供えるお供物を盛る台のことです。肩にあたる部分の面取りの細やかさ、脚部分のかえし、そして、真円にする難しさ。木地彫刻に相当熟練した職人技がうかがえます。塗りは、『妹塗』といい、朱と黒の混合した、赤みを帯びた茶色で、何ともいえない光沢を発しています。金は消し粉仕上げになっており、繊細かつ優美な木地彫りを引き立てています。京都では、このような作品を「目に優しい」「ぎらつかない」「嫌味がない」と表現します。
商品説明:
五鈷すなわち五つの鈷は、五智・五仏の象徴とされ、中央の中鈷、周囲の4本の脇鈷で構成され、連弁飾を特徴とします。五鈷杵や五鈷鈴のように、密教系法具に取り入れられている型です。これは、五鈷の複雑で精緻な美しさ、連弁の決め細やかさなど、木彫技術の高さと美しさが目を見張る作品です。
商品説明:
西本願寺用の、本尊前に置かれる卓です。木地の浮き面仕上げ(板の表面が平坦ではなく、彫って面を浮き出させること)や木彫刻の透かし彫り、本地彫りの錺金具、彩色の極細な筆使いなど、当時の最高技術を駆使して製作されたもの。明治43年の全国博覧会で金賞を受賞した作品。ちなみに透かし彫りの題材は、六鳥と呼ばれ、『阿弥陀経』に描かれている浄土に棲むとされる6種類の鳥で、梅や菊など約束事に則った組み合わせで丹念に彫られている。
商品説明:
西本願寺派で使用される、ご飯を供えるための器とその器をのせる台。台の脚部分に見られる複雑な木地彫りと浮き面仕上げは、実に手が込んだものです。総消粉、総裏金仕上げが、上品で優美な雰囲気を強調しています。御仏飯(おぶっぱん)と呼ばれる、飯をのせる器は、魚々子彫りといういぼのようなものを、一つひとつ丹念に彫ることによって形づくられる技法(簡単なものは、いぼのようなものを数個打ち付ける方法)です。このお仏飯は、取り外しができるよう、脚部分と皿部分がねじになっていますが、これは細かいところまで隅々魚々子彫りをほどこすためです。西本願寺の紋が入った漆塗りの箱は、御仏飯を運ぶ際の専用の入れ物です。
商品説明:
真宗で用いられる供物台のこと。四角形・六角形・八角形があり、素木、銀箔・金箔押・彩色がある。最高級の木地が用いられ、特に、この作品では透かし彫りにその高度な技が証明されています。また、総消粉金が上品でまろやかな光沢を放ち、よりいっそうその評価を高めています。
商品説明:
隅瓔珞とは、宮殿から吊り下げられる装飾物です。傘部分はすべて、銅の地金を地彫りしたものです。地彫りとは、金属の平面より文様・図柄を高く盛り上げ、立体的な表現をする技法のこと。ここでは、金属の裏から叩き出すことにより金属を盛り上げて、模様を作り出す方法をとっています。瓔珞といわれる装飾部分は糸鋸で一つひとつが手作りされ、また底部に付いている鈴など、現在では作り得ない技術がそこかしこに見られます。
商品説明:
魚々子(ななこ)とは、金属の表面に細かい粟粒をまいたかのように見せる技法です。その名称は、それらが魚の卵を撒き散らしたように見えることに由来しています。切り先の刃が細かく小円となった鏨(ななこ鏨)を金属板に打ち込みますが、その小円を作り出す鏨の刃は、1粒、2粒、3連粒、6連粒、また3×3粒、4×4粒、5×5粒などのものがあります。なかでも、最も高度な技術を要するものが一粒魚々子で、魚々子を一粒ずつ乱れずに打っていく技は相当熟練した職人技といえます。京都には、この魚々子を専門とする職人がいました。写真は、魚々子粒の大きさで、錺金具の印象が異なってくることがよく分かる見本です。高肉彫りの間の地模様としても使われています。荒いものほど、一粒一粒の形にごまかしがきかず、また縦横乱れずに打っていくことは至難の技でもあります。
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